セラピーメイク Therapy Make-up

セラピーメイク

セラピ−メイクのコンセプトは、癒す=heal、元気を出す=encourage、医学的である=medical

患者さんのクオリティ・オブ・ライフを向上させる「セラピ−メイク」

アピアランスリハビリセンターのセラピ−メイクは、メディカルメイクアップを基に発展させたものです。メディカルメイクアップは、現在、欧米では医療の一環として、専門の機関を持つ病院も増えてきています。セラピ−メイクは、このようなメディカルメイクアップの考えをさらに発展させたもので、「心を癒す精神的ケア」という新しい考えを基礎においたヒ−リングメイクアップです。外観上に何らかのハンディキャップのある人たちに、化粧によるカモフラ−ジュだけを目的とせず、 それを一つの手段として形成外科、皮膚科、 精神科などの専門医と協力しながら、社会へのより積極的な参加を目標とし、精神的な面を含めてサポ−トするものです。アピアランスリハビリセンターの「セラピ−メイク」は外表の病気や外傷、あるいは加齢などに対して基本的には形成外科、皮膚科的治療を補完するものですが、手術的治療を希望されない方にも有力な手助けになります。   
患者さんに施された医療内容を理解したうえで、医学的治療の一環として位置づけ、医師の指導を受けつつメイクアップのプランニングを行っていきます。そして単に患部のみを扱うのではなく、全体としてのバランスを重視し元気のでるメイクアップを行います。これからの医療に求められる全人的対応を旨として、心身症患者への「ヒ−リングコスメティック」、加齢によるシミ・シワに対する「リハビリスキンケア」なども視野においていきたいと考えています。

解剖学を基本とした、表情を生む動的な「セラピ−メイク」

疾患、病気別に施される専門的な「セラピ−メイク」は、解剖学に基づいて静止時だけでなく、表情を重視したメイクアップを行います。まず自然であること。また画一的でなく病態に細かく対応する個別的であること。そして人の表情の動きに対応できる立体的かつ動的な、極めて専門的なメイク技術により、病変部を単にカモフラ−ジュするだけでなく、全体のバランスをはかることで自然に病変部を目立たなくしていきます。

セラピーメイクを担当するメイクセラピストは、医療、美容、心理の基礎的知識が必要なことから、アピアランスリハビリセンターでは医療、美容、心理の勉強をする「医美心研究会・メイクセラピスト養成講座修了生」が望ましいとしています。センターでは現在この上に臨床心理士による訓練講座を義務付けています。

「メディカルメイクアップ」

1928年米国でリディアオリリー氏が皮膚変色をカバーする化粧資材を製造する「カバーマーク社」を設立したことに始まります。日本では1960年の全国皮膚科学会でメイク技術者により医師に紹介されました。イギリスではアザやキズ跡をカモフラ−ジュしたり、また化粧をするという心療的効果を医療の中に積極的に取り入れようとして、1970年代に英国赤十字により始められました。英国赤十字のコスメティックカモフラージュ、ビューティーケア活動は今野清子氏により1976年日本に取り入れられ、ビューティーケアは日本赤十字各支部の赤十字特殊ボランティア活動として取り入れられています。現在、日本ではメディカルメイクアップ(スキンカモフラージュ)を専門に教授する団体としてNPO法人メディカルメイクアップ アソシエーションが活動しています。

外見に化粧することは心に化粧すること

アピアランスリハビリセンターで行なう「悩みや疑問に応えるメイク」の総称として、2000年3月命名されました。

セラピーメイクは自信がつくメイクともいえます。これにより可能性を拓くことを目指しています。
目的をもち自信を持てば人間的に成長していく人は多くいます。一方、外見に自信をもてないことで自分の可能性を拓いていていない人もまた多くいます。セラピーメイクは外見の疑問や悩みを取り除くことにより次のステージに進ませる可能性をもつものです。
技術的には、外見に関し自分自身がこれでよい、なんとかなると思える外見作りをします。これは他人の目でなく、自分の目(心)の満足を意味します。
メイク技術者と本人が協力して行ないますが、その外見は他の人から見ての美しさの追求ではなく、その時々に本人が受容できる自己像の追求をします。
「現在の外見に満足する」その結果として心理的健康が図られ前に進ませる力になります。

セラピーメイクにより、クオリティ・オブ・ライフ(生活の質)の向上を図ります。セラピーメイク分類
【 セラピーメイク分類 】

  1. 医療の補助手段としてのメイク(メディカル・セラピーメイク) 治療前、治療中、治療後に施術します。病気や事故、手術などによりできた皮膚変色や微細な凹凸をメイクアップによりカモフラージュし無いもののように見せます。
  2. 1.以外のメイク(ビューティー・セラピーメイク)・・・若返りメイク、更年期のメイク、高齢者のメイク、思春期のメイク、就職メイク、その他のメイク・・・1、2とも年齢、性別を問いません。

現在アピアランスセンターでは、セラピーメイクを実施している人たちの技術を共有し研究することによる技術向上を目指し、参加技術者を募っています。セラピーメイク(1)、(2)の分野は問いません。
該当するのではとお考えの方は下記 へお問合せ下さい。

【問合せ先】
アピアランスリハビリセンター
〒343-0828 埼玉県越谷市レイクタウン8丁目13番2
Tel:048-961-7575(アピアグループと共通です) Fax:048-961-7576

高齢者向けメーク

■高齢者のメイク
ご高齢の方は、若返りメイクをして鏡で自分の若い顔を確認すると、若い時を思い出し、あの頃はこうだったと嬉しそうに20歳頃のお話を始めることがあります。歌を歌いだしたり、腰掛けたまま手で踊り始めたりと、元気で何でもできた頃を思い出して力が湧き出ているように見受けられます。施設の担当者のお話では、朝、化粧していたら、今日は大丈夫元気なんだと安心するそうです。こういうことから高齢者のメイクは若く見えることとを第一にします。

また、肌の清潔を保つことが必要で、まずスキンケアから行ないます。
老化により肌の機能が衰え乾燥することから保湿のため水分を補うこと、水分を逃さないことを念頭においてメイクを考え、ファンデーションを使う場合は乾燥を補うタイプを使用します。
また、体の自由が利かず顔を洗うことが困難な場合は、ファンデーションは使用しないメイク法にします。高齢者施設では集団であることから、特に清潔に留意し道具によっては使い捨てます。

 

*医療専門学校、美容専門学校、公共団体、その他の団体で、アピアランスセンターへ高齢者のセラピーメイク、その他のセラピーメイク講師派遣をご希望の時はこちらへお問合せ下さい。